楽天モバイルは1日、65歳以上の利用者を対象とした新サービス「最強シニアプログラム」の一環として、特殊詐欺被害に遭った際の費用を補償する「オレオレ詐欺対策保険」の提供を開始すると発表しました。対象となるオプションサービス「15分かけ放題&安心パック」の加入者に対し、追加の保険料負担なしで自動的に付帯される仕組みです。

この保険は、楽天損害保険が引き受けを行い、楽天モバイルが保険料を全額負担するものです。シニア層を標的とした「オレオレ詐欺」や「架空料金請求詐欺」などの被害に遭った際、金銭的な負担を軽減することを目的としています

発表によると、補償内容は大きく分けて二つあります。一つ目は「損害賠償請求等費用」で、弁護士への相談費用や裁判費用などが対象となり、最大50万円まで支払われます。二つ目は「再発防止等費用」で、被害後の電話機交換(録音機能付きなどへの変更)や、防犯センサーライトの設置費用などが対象となり、こちらは最大10万円まで補償されます。これらを合わせ、1回の被害につき最大60万円の補償を受けることが可能です

注意点として同社は、この保険が「実際に振り込んでしまった金銭そのもの」を補償するものではないと説明しています。あくまで、被害に遭った後の法的対応や、今後の防犯対策にかかる「費用」をサポートする位置づけです

一方で、手厚い面もあります。補償の対象は楽天モバイルの回線にかかってきた電話による詐欺に限定されません。契約者本人が被害に遭った場合であれば、自宅の固定電話など、楽天モバイル以外の回線で発生した詐欺被害についても申請が可能だとしています

本保険は、「最強シニアプログラム」のオプションである「15分かけ放題&安心パック」に加入している期間中、適用されます。特別な申し込み手続きは不要で、対象オプションへの加入と同時に自動付帯されます。ただし、対象オプションの解約や回線の譲渡、料金の未納などが発生した場合は保険契約も解約となるため、利用には注意が必要です。また、万が一複数回被害に遭った場合でも、その都度申請を行うことが可能となっています。

高齢者を狙う特殊詐欺が社会問題化する中、通信事業者が通信サービスとセットで具体的な防犯・事後対策の仕組みを提供することは、シニア層が安心してスマートフォンを利用できる環境づくりにつながりそうです。