江崎グリコ株式会社は2025年9月24日、主要な牛乳商品の賞味期限を現行の「製造日より14日」から「16日」へと2日間延長すると発表しました。
この変更は、深刻化する食品ロス問題への対策と、消費者の利便性向上を目的としています。
変更の概要
- 適用開始日: 2025年9月27日製造分から
- 対象商品: 「グリコ牛乳」や地域限定の「JA牛乳さが生まれ」に加え、「那須高原特選牛乳」などの特選シリーズも含まれます。
- 変更内容: 賞味期限を「製造日より14日」から「16日」へ延長。パッケージデザインや内容量、成分に変更はありません。
この取り組みの背景には、日本が直面する深刻な食品ロス問題があります。国内の年間食品ロス量は約470万トン前後に達しており、特に牛乳などの日配品は廃棄リスクが高い商品とされています。今回の賞味期限延長により、小売店では期限切れによる廃棄ロスが削減され、在庫管理の効率化が期待できます 。また、消費者にとっては、まとめ買いがしやすくなる、家庭内でうっかり賞味期限を切らしてしまうといった食品ロスを減らせるなどのメリットがあります。
食品の賞味期限延長は、業界全体の大きな潮流となっています。競合の明治はチーズや菓子類など幅広い商品で 、森永乳業は常温で長期保存が可能なロングライフ牛乳で 、それぞれ食品ロス削減に取り組んでいます。賞味期限は今や、品質や価格と並ぶ新たな競争軸となりつつあります。
江崎グリコの今回の決定は、より高度な衛生管理技術(ESL製法)を背景に、企業の社会的責任を果たしつつ、市場での競争力を高める戦略的な一手と言えます 。今後も食品業界では、持続可能な社会の実現に向けた技術革新と取り組みがさらに加速していくことが予想されます。