日本カルミック株式会社は、持続可能な社会の実現に向け、社用車として電気自動車(EV)「N-VAN e:」を東京ベイサイドセンターに試験導入しました。2025年11月より運用を開始し、ガソリン車と比較して約60%の温室効果ガス排出量削減を目指します。この取り組みは、同社が掲げる「ゼロエミッション」目標達成に向けた重要な一歩となります。

日本カルミックが推進する環境戦略

地球温暖化や環境問題への意識が高まる中、企業活動における「持続可能性(サステナビリティ)」は重要なテーマです。衛生環境マネージメントのパイオニアである日本カルミック株式会社は、共立製薬株式会社と英国レントキル・イニシャル社の合弁会社として、ウォッシュルーム、厨房、オフィス空間などの衛生環境マネージメントを提供しています。

同社は、企業活動で排出されるCO₂などの温室効果ガスを実質ゼロにする「ゼロエミッション」を長期目標に掲げており、今回のEV試験導入はこの目標達成に向けた具体的な施策の一つです。東京ベイサイドセンターへの2台のEV導入は、単なる車両の置き換えではなく、CO₂排出量削減効果、ランニングコスト、現場での実用性を徹底的に検証することを目的としています。これは、将来的な全社展開を見据えた堅実な戦略であり、同社の環境に対する本気度がうかがえます。

導入車両「N-VAN e:」の特長と期待される効果

今回導入されたのは、ホンダの電気自動車「N-VAN e:(エヌバン イー)」です。商用車として高い人気を誇るN-VANのEV版であり、その高い積載性と使い勝手の良さはそのままに、環境性能が向上しています。

本田技研工業株式会社による比較試算データによると、N-VAN e:はガソリン車であるN-VANと比較して、約60%もの温室効果ガス排出量削減が見込まれるとされています。これは環境負荷低減への大きな貢献が期待される数字です。

白い電気自動車が、青い空の下、白い建物の前に駐車されています。
*今回導入された電気自動車のイメージです。青い空と白い建物に映える「calmic EV」のロゴが印象的です。

日本カルミックがN-VAN e:を選定した理由としては、長年培われたN-VANの実用性や信頼性がEV版でも期待できる点、都市部での業務に対応可能な航続距離、そして東京ベイサイドセンター内に新設された専用充電スポットによる安定稼働体制などが考えられます。また、EV導入のメリットとして、初期費用は高い傾向にあるものの、電気代がガソリン代よりも安く抑えられることや、部品点数が少ないことによるメンテナンスコストの低減など、ランニングコストの検証も行われる予定です。

今後の展望と企業概要

今回のEV試験導入は2025年11月からの運用開始を予定しており、日本カルミックは運用状況や効果を分析した上で、他拠点への展開や導入台数の拡大を検討していくとしています。これは、同社が環境経営をさらに加速させていく強い意志の表れです。

企業としての環境責任を果たすことはもちろん、持続可能な社会の実現に貢献するという日本カルミックの姿勢は、多くの企業にとって模範となることでしょう。

日本カルミック株式会社 企業概要

項目 内容
名称 日本カルミック株式会社
代表者 代表取締役社長 髙居 隆章
会社設立 1969年6月6日
資本金 2,000万円
従業員数 674人(2025年9月)
事業内容 衛生製品の開発・レンタルサービス、設備の維持管理・メンテナンスサービス、改修工事・リニューアル、環境・衛生診断
公式サイト https://www.calmic.co.jp/