株式会社Taste Linkは、食のプロと企業を繋ぐプラットフォームを運営しており、この度、農林水産省の「中小企業イノベーション創出推進事業」に採択された株式会社フィット&リカバリーと協業し、グルテンフリー玄米粉パンのレシピ開発プロジェクトを開始しました。本プロジェクトは、Taste Linkが開発した食品開発特化の生成AI「Chef AI」を中核とし、食物アレルギーを持つ人々が安心して焼きたてのパンを楽しめる食卓の実現を目指します。

グルテンフリー玄米粉パン開発プロジェクトの概要

本プロジェクトは、深刻な社会課題である食物アレルギーへの対応を目的としています。特に小麦由来の食品は、重度のグルテンアレルギーを持つ方にとって、食事の選択肢を大きく制限する要因となっていました。この課題に対し、両社は「Chef AI」とプロフェッショナルなシェフの知見を結集し、誰もが同じ食卓を囲める未来を創造することを目指しています。

食品開発特化型AI「Chef AI」の機能

「Chef AI」は、ミシュラン級のシェフを含む「食のプロ」が持つ経験と評価軸を学習しており、単なるアイデアに留まらない開発能力を有しています。レシピの一次案を数分で生成するだけでなく、配合、工程、調理機器の条件まで、実装レベルに落とし込まれた具体的な提案書として提示することが可能です。

この機能により、水産加工メーカーA社のパイロット事例では、「汎用AIはアイデア止まりになりがちですが、Chef生成AIは段取り・配合・機器条件が具体的。短時間でベースレシピが整うため、社内提案〜試作の動きが速くなりました」と評価されており、企業の商品開発における時間とコストの削減に貢献しています。

グルテンフリーのパンの作り方を紹介するChef AIの広告画像です。

玄米粉を活用した多様な展開

今回の取り組みでは、まずグルテンフリー玄米粉を活用したレシピ開発に焦点が当てられています。玄米粉はグルテンを含まないため、アレルギーを持つ方でも安心して摂取できる代替食材です。Taste Linkの戸門代表は「玄米粉の“つなぎ”機能まで視野に入ると、商品開発の自由度が一気に広がります」と述べており、AIとプロの知見を組み合わせることで、パンだけでなく麺、惣菜、スイーツなど、玄米粉を使った多様なレシピパターンが短期間で開発される見込みです。将来的には家庭用キットとしての展開も視野に入れられています。

さらに、本プロジェクトはグルテンフリーに留まらず、乳・卵・ナッツといった他のアレルゲンにも配慮した商品開発を計画しており、食の多様性を尊重し、誰もが安心して楽しめる食卓を実現するための取り組みとして推進されます。

連携企業について

  • 株式会社Taste Link: 食のプロにオファーができるプラットフォームを運営する企業です。元料理人である代表の経験と人脈を活かし、ミシュラン級シェフを含む一流料理人とのマッチングにより、商品開発やプロデュースまでワンストップで支援しています。
  • 株式会社フィット&リカバリー: 農林水産省の「中小企業イノベーション創出推進事業」に採択された企業です。玄米粉の原料メーカーとして、オープンな技術開発を推進しており、本プロジェクトにおける玄米粉の技術的側面を担っています。

「Chef AI」導入に関する情報

本プロジェクトは、企業が新商品開発にかける時間や費用といったコストパフォーマンスを向上させる可能性を秘めています。AIによる高速なレシピ生成とプロのシェフによる実践的な検証の組み合わせは、これまでの開発プロセスを大きく変革すると期待されます。

株式会社フィット&リカバリーの鶴留氏は、「原料メーカーの立場から、『できる』を配合・手順・機器にまで落とし込み、導入しやすい形でお返ししたい」と語っており、技術を社会に還元する強い意志が示されています。

新しい食の可能性を探求し、アレルギー課題の解決やESG経営に貢献したい企業様は、「Chef AI」の導入を検討いただけます。