企業の脱炭素経営において、CO2排出量削減と安定した電力供給、コスト削減の両立は重要な課題です。この課題に対し、株式会社H.EエナジーとSMFLみらいパートナーズ株式会社が、北海道エリアで年間10MWものNon-FIT太陽光発電所を開発・取得する基本合意契約を締結しました。このプロジェクトは「コーポレートPPA」を活用し、持続可能な社会への貢献を加速させるものです。

北海道におけるNon-FIT太陽光発電所の開発・取得

今回発表された計画では、2026年6月までに合計100カ所(直流容量換算で約10MW)のNon-FIT低圧太陽光発電所をSMFLみらいパートナーズが取得する予定です。この取り組みは、北海道の豊かな自然エネルギーを活用し、日本全体の脱炭素化を後押しすることを目的としています。

太陽光発電パネルが並んだ風景

この契約に基づき、H.Eエナジーは太陽光発電所の開発から施工までを一貫して担当します。一方、SMFLみらいパートナーズは発電所の取得・運営に加え、国内の需要家企業への「コーポレートPPA」提供を行います。これは両社の強みを結集した、新たなエネルギービジネスのモデルケースになると考えられます。

Non-FITとコーポレートPPAの仕組み

本プロジェクトを理解する上で重要な「Non-FIT」と「コーポレートPPA」について解説します。

Non-FIT(ノンフィット)発電所の特徴

「Non-FIT」とは、固定価格買取制度(FIT制度)の対象外となる発電所のことを指します。従来のFIT制度は、再生可能エネルギーの普及を目的として国が固定価格で電力を買い取ることを保証していましたが、その費用は国民が「再エネ賦課金」として負担していました。

Non-FIT発電所は、FIT制度に頼らず市場原理に基づいた電力供給を行うため、電力の価格競争力が高まります。これにより、需要家企業はより安価に再生可能エネルギーを利用できる可能性が広がり、自社でNon-FIT電力を利用することで再エネ賦課金の負担を軽減できるメリットがあります。

コーポレートPPA(ピーピーエー)の導入メリット

「コーポレートPPA」とは、企業が再生可能エネルギー発電事業者と直接契約を結び、長期間にわたって電力を購入する仕組みです。この方式の最大の魅力は、企業が初期投資なしで再生可能エネルギー電力を利用できる点にあります。発電所の建設・運営は発電事業者が行い、企業はそこから安定的に電力を購入するだけです。これにより、電気料金の変動リスクを抑えつつ、CO2排出量削減にも貢献できます。

今回のプロジェクトは「追加性」のある再生可能エネルギー供給を掲げています。これは、新規に再生可能エネルギー電源を導入することで、社会全体の再エネ導入量を「追加」で増やすことを意味し、地球温暖化対策に貢献する新たな発電所の創出を直接支援しているとアピールできます。

H.EエナジーとSMFLグループの連携

今回の北海道での大規模なNon-FIT太陽光発電所開発は、両社の強みが融合した結果です。

H.Eエナジーの事業概要

H.Eエナジーは、北海道・東北を拠点に太陽光発電事業を主力とし、用地開発からEPC(設計・調達・建設)、O&M(運用・保守)まで、太陽光発電に関するサービスをワンストップで提供しています。H.E GROUPは、H.Eエナジーを筆頭に、福祉、農業、飲食、不動産など多岐にわたる事業を展開し、持続可能な社会の実現を目指しています。

H.Eエナジーの詳細はこちらからご覧ください:https://he-erg.com/

SMFLグループの取り組み

三井住友ファイナンス&リース(SMFL)の戦略子会社であるSMFLみらいパートナーズは、SMFLグループの強固な顧客基盤を背景に、全国の需要家企業にコーポレートPPAを提供できる体制を整えています。SMFLグループ全体としては、再生可能エネルギーや省エネ機器の設備投資へのファイナンスサービスに加え、CO2フリー電力の供給や脱炭素に関する補助金支援など、企業の脱炭素経営を多角的に支援するソリューションを展開しています。

今回の提携は、H.Eエナジーの地域に根ざした開発・施工能力と、SMFLグループの全国規模の顧客ネットワークおよびファイナンス力を組み合わせることで、脱炭素社会の実現に向けて強力なシナジーを生み出すことが期待されます。

企業が脱炭素経営へ踏み出す方法

今回のH.EエナジーとSMFLみらいパートナーズの取り組みは、企業の脱炭素経営を加速させるための具体的なヒントと選択肢を提供します。

  • 再生可能エネルギーの調達方法の見直し: 自社工場やオフィスで消費する電力に、Non-FITの再エネ電力を活用できないか検討することが推奨されます。コーポレートPPAは初期投資なしで導入できるため、資金繰りの負担なくCO2削減に貢献できます。
  • サプライチェーン全体の脱炭素化の検討: 自社だけでなく、サプライチェーン全体の排出量削減にも目を向け、取引先企業への再エネ導入支援や情報提供を検討することも有効です。
  • 信頼できるパートナーの選定: H.Eエナジーのように開発・施工から運営まで一貫して任せられる事業者や、SMFLグループのようにファイナンスとソリューションを兼ね備えた企業は、脱炭素経営の強力な味方になります。

脱炭素化は企業の義務であり、新たな競争優位性を生み出すチャンスでもあります。この機会に、貴社のエネルギー戦略を見直すことが推奨されます。

お問い合わせ先

今回の提報に関する詳細や、コーポレートPPA導入にご興味のある方は、以下の連絡先までお問い合わせください。

会社名、部署、担当者、電話番号が記載された表の画像

H.EエナジーとSMFLみらいパートナーズによる北海道でのNon-FIT太陽光発電所開発は、日本全体の脱炭素化を加速させる重要な一歩です。「Non-FIT」と「コーポレートPPA」という新しい電力調達の形は、企業が経済合理性を追求しながら環境負荷を低減できる、新たな選択肢となるでしょう。この取り組みが成功すれば、他地域での同様のプロジェクトが加速し、より多くの企業が脱炭素経営へと舵を切るきっかけとなることが期待されます。北海道の豊かな大地から生まれるクリーンな電力が、日本の未来を明るく照らすことに貢献します。