大広フェムテック・フェムケアラボと一般社団法人渋谷未来デザインは、「SHIBUYA WOMEN’S WELLNESS調査2025」の結果を発表しました。この調査は、渋谷区に在住・通勤・通学する女性が高い「健康充足度」を保つ秘訣が、心身をケアしやすい「環境づくり」と「環境・行動・意識」のポジティブサイクルにあることを明らかにしています。本記事では、渋谷区の女性が輝く理由とその具体的なヒントを詳述します。
渋谷の女性が高い「健康充足度」を保つ秘訣
今回の「SHIBUYA WOMEN’S WELLNESS調査2025」では、渋谷区に在住・通勤・通学する女性(渋谷関与層)が、全国の一般女性と比較して「健康充足度」において10pt以上高い結果となりました。同じ健康課題に対する対策意向は同程度であるにも関わらず、現在のトータルな健康状態の充足度において渋谷関与層が優位であることが示されています。

この差の要因として、渋谷区における「環境・行動・意識」のポジティブサイクルが挙げられます。心身をケアしやすい施設や情報が身近に整っている「環境」が、「ちょっと相談してみよう」「運動してみよう」といった「行動」を促します。そして、その行動を通じて自分の体や心への「意識」が高まり、さらに積極的に健康的な環境を利用しようとする好循環が生まれていると考えられます。

渋谷区が推進するウェルビーイングの街づくり
渋谷区の松澤香副区長へのインタビューからは、区が目指す街づくりの哲学が伝わってきました。施策を進める上で「想像力」を最も大切にしており、育児中の女性への配慮や障がいを持つ方々との関わりを通じて「気づき」を得ることが、多様性を尊重する社会の実現につながると語っています。渋谷区は「一人ひとりが自分の人生を自分で決められる社会」を目指し、行政はその自己決定を応援し、必要なサポートを提供することを使命としています。特に女性の健康を起点に、誰もが心身ともに健やかに生きられる環境を整えることが、ウェルビーイングの根幹であり、渋谷区のまちづくりの最終目標であると強調しています。

また、健康寿命の延伸については、エビデンスに基づいたアプローチや、運動スペースが限られる渋谷区ならではの「水泳を活用したプログラム」に可能性を見出しています。足腰への負担が少なく心肺機能を高める水泳は、幅広い世代にとって魅力的な選択肢であり、元オリンピック選手のような優れた指導者を招致する構想も検討されています。
情報を届ける工夫と行動を後押しするアクセシビリティ
渋谷区は、良いサービスや施策を確実に区民に届けるため、情報提供の「届け方」にも工夫を凝らしています。広報コミュニケーション課へのヒアリングでは、広報紙を「各戸配布」している点が特徴として挙げられました。これにより、必要な情報が確実に区民の手に届くようになっています。さらに、駅やコンビニにも設置することで、生活動線の中で自然と情報に触れる機会を増やしています。

広報紙の紙面レイアウトも、平成28年に大規模リニューアルを行い、横書きを基本とし、読みやすいフォントや字の大きさ、イラストを多用するなど、情報が自然と目に入るような工夫がされています。健康に関する情報は「健康・スポーツ」というカテゴリでまとめられ、関心のある人が見つけやすいよう配慮されています。
あなたのウェルビーイングを高めるためのヒント
今回の調査を共同で行った大広フェムテック・フェムケアラボの佐飛美弥さんは、渋谷区へ転居後、レディースクリニックに気軽に通えるようになり、自身の身体や心の健康と向き合う時間が増えたと語っています。これは、大きな変化でなくても、身近な「環境」を少し変えるだけで、私たちの「行動」や「意識」も大きく変わる可能性があることを示唆しています。
例えば、以下の視点で自分の周囲を見渡してみることを推奨します。
* 普段通る道の途中に健康に関する情報が目につく場所はないか?
* 健康相談ができる身近な施設を知っているか?
* 気軽に運動できる場所やプログラムはないか?
調査レポートと関連情報
この調査は、大広フェムテック・フェムケアラボと、一般社団法人渋谷未来デザインが運営する「わたしたちのウェルネスアクション」が共同で実施しました。
- 一般社団法人渋谷未来デザイン: https://fds.or.jp/
- わたしたちのウェルネスアクション: https://womens-wellness-action.com/
本調査の詳細なレポートは、以下のURLから無料でダウンロードできます。女性の健康課題に関心のある方、健康経営や女性活躍をテーマにしている企業担当者、自治体関係者の方にはぜひご一読をお勧めします。
「SHIBUYA WOMEN’S WELLNESS調査2025」ダウンロードURL:
https://www.daiko.co.jp/femtech_femcare_lab/shibuya_womens_wellness_research.pdf
健康とは、個人の努力だけで完結するものではなく、周囲の「環境」がいかに重要であるかを、この調査は鮮やかに示しています。快適で、かつ行動を促すような環境があれば、私たちの健康意識は自然と高まり、より豊かなウェルビーイングへと繋がります。このポジティブサイクルを、渋谷だけでなく、全国、そして世界へと広げていくことができれば、きっと誰もが「生きやすい」と感じる未来が待っているでしょう。私たちが住む街、働く場所、そして日々の生活の中で、どんな「環境づくり」ができるのか、このレポートをきっかけに改めて考えてみませんか。
