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IEEE、ニューロシンボリックAIが、人工知能の二大分野「ニューラルネットワーク」と「シンボリック推論」を融合し、「第三の波」と称される注目を浴びる新たな領域を切り開く。
ニューロシンボリックAIとは何か?
ニューロシンボリックAIは、人工知能の二大分野を融合したもので、パターン認識に優れた「ニューラルネットワーク」、明示的なルールや論理推論に基づいた「シンボリック推論」の二つの手法が個々に持つ限界を超越し、互いの弱点を補います。一部の大企業ではすでに倉庫内のロボットなどで活用が進んでおり、その他の自律システムにも大きな応用可能性が見込まれています。
なお、詳細な情報はhttp://www.ieee.org をご覧いただけます。
ニューラルネットワークとシンボリック推論の融合
ニューロシンボリックAIが「第三の波」と呼ばれる理由は、それぞれの手法が単独で持つ弱点を補い、それによって新たな課題解決が可能となるからです。ニューラルネットワークとシンボリック推論、これら二つの異なるAIアプローチを組み合わせる息吹は、深層学習の説明可能性の課題と記号推論の汎化能力や頑健性の課題への対応に由来します。言い換えれば、それぞれの手法が補完し合った結果、ニューロシンボリックAIという新領域が誕生したのです。
現実世界とニューロシンボリックAI
現実世界では、ニューロシンボリックAIが優れた性能を発揮しています。特に、大手企業の物流センターなどで活用されているロボット技術は、空間認識や物体の最適な地点の判断といった課題に取り組む際に、この手法が注目されています。
デジタルと現実世界の橋渡し
さらに、ニューロシンボリックAIはデータやシステム間の矛盾やギャップを埋める役割も果たします。概念の理解、文脈に応じた介入、人間の意図に沿った行動といった要素を、現行のAIシステムが実現することは難しいですが、ニューロシンボリックAIならそれが可能です。これは、ニューロシンボリックAIが「人間の思考様式」をシミュレートすることにより達成されています。つまり、ニューラルネットワークが直感的な思考を、シンボリック推論が論理的な思考をそれぞれ模倣するのです。
ニューロシンボリックAIの課題と展望
しかし、ニューロシンボリックAIを実現する上での技術的な課題は依然として存在します。特に、ニューラルネットワークとシンボリック推論をどう統合するかが課題となっています。現在のところ、これら二つの手法の統合方法は複数提案されていますが、最適解はまだ見つかっていません。そのため、ニューロシンボリックAIの開発はこれからも業界の注目を集め続けるでしょう。
