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法人会員向けに与信管理クラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤本 太一)の連結子会社である利墨(上海)商務信息咨詢有限公司(以下「リスクモンスターチャイナ」)は、利墨リスモン調べ「第2回中国日系企業の地域分布ランキング」の結果を発表いたしました。
「第2回中国日系企業の地域分布ランキング」
「利墨リスモン調べ」は、リスクモンスターチャイナが独自に収集した中国の日系企業データベースや業界情報を基に、調査・分析を行ったレポートです。 今回は、2025年4月時点で開示されていた中国全土の法人登記情報を基に、日本企業が出資する中国企業およびグループ企業27,148社を対象に調査しました。
■中国における日系企業、トップ10地域に大きな変動なし
前回調査(2023年3月時点のデータに基づく調査、2024年4月発表)から約2年が経過し、中国での事業環境の変化を踏まえ、中国日系企業における地域分布の全体像を把握するために調査を実施いたしました。
今回の調査結果によると、日系企業は「上海市」(7,943社、全体比率29.3%)、「江蘇省」(3,854社、同14.2%)、「広東省」(3,615社、同13.3%)に集中し、この3地域で全体の56.8%を占めることが明らかになりました。トップ10の地域においては、顔ぶれに大きな変動は見られず、引き続き中核エリアであることが確認されました。(表1)
企業数の増減では、8位の「天津市」(1,024社、前回999社)、10位の「湖北省」(593社、前回592社)を除き、多くの地域で減少しています。また、「北京市」(6.2%、1,690社)と「山東省」(6.2%、1,672社)の順位が入れ替わり、山東省のシェアは前回より0.7ポイント低下しました。
なお、2025年3月に発表した「中国における日系企業の休廃業動向」では、山東省の休廃業社数は182社(休廃業率9.3%)で、地域別で4位となっています。
独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)が2025年2月に発表した『2024年度 海外進出日系企業実態調査(中国編)』によると、山東省では「競争の激化」「人件費上昇」「日本市場の需要減退」が業績悪化の主な要因として挙げられており、こうした背景が企業の撤退や社数の減少に繋がっていると見られます。
表1 中国に進出した日系企業の地域分布ランキング1~10位
※シェア(%)=各地域の企業数/全体企業数(地域未取得の企業を除く)×100
シェア前回増減=今回シェア-前回シェア
■新設企業数、広東省が最多に
直近2年間における新設日系企業の地域別分布では、「広東省」(403社、全体比率17.6%)が「上海市」、「江蘇省」を上回り、首位となりました。これら3地域で全体の約50%を占めており、依然として主要な進出先となっています。(表2)
一方、「山東省」は全体の企業数では6位ながら、新設企業数では10位以内に入らず、代わりに「重慶市」(84社、同3.7%)が8位にランクインしました。
業種別では、小売業、飲食業、卸売業が集中しており、日本企業が中国市場を「消費市場」として重視している傾向がうかがえます。
表2 2023~2024年における新設日系企業の地域分布ランキング1~10位
※シェア(%)=各地域の新設企業数/全体新設企業数(地域未取得の企業を除く)×100
また、新設企業数は、新型コロナの影響で2022~2023年にかけて減少したものの、2024年には2021年と同水準、あるいはそれ以上に回復しました。(図1)
ただし、山東省については2022年をピークに新設企業の数が減少を続けており、他地域と異なり回復傾向は見られていません。
図1 2015~2024年上位地域における地域日系企業数推移
■今後の注目ポイント:地域構成の変化と拠点戦略
近年の中国市場では、サービス業の成長や消費回復を背景に、事業環境が大きく変化しています。こうした動向は、日系企業の立地選定にも影響を与えています。2023年以降に設立された日系企業は、市場規模や消費力の高い地域に集中しており、従来の地域分布と比べ、広東省、浙江省、重慶市が新設企業の上位に位置するようになっています。主要地域の企業数も一時低調だったものの、現在は回復傾向にあります。
今後も、地域ごとの経済環境や産業構造の違いを踏まえた拠点戦略が、日系企業にとってますます重要となります。進出・撤退の判断や、展開方針の検討においては、地域分布の変化に注目することが求められます。
■本調査結果の全文
リスクモンスターチャイナの掲載サイトでご覧いただけます。
https://www2.rismon.com.cn/report250801_j/?utm_source=rm&utm_medium=press&utm_campaign=250819
[実施概要]
・調査名称 :第2回中国日系企業の地域分布ランキング
・調査方法 :中国における日系企業の法人登記情報に基づく調査
・調査対象時期 :2025年4月時点で開示されていた法人登記情報
・調査対象企業 :中国全土で登記されている
日本企業出資の中国企業及びその傘下企業
・調査対象企業数:27,148社
■リスクモンスターチャイナについて
2012年9月、上海にリスモングループ初の海外拠点として設立。中国に進出する日系企業を対象に与信管理サービスを中心とした経営支援サービスを提供。また、日中両言語対応のクラウド型グループウェアや社員教育に役立つeラーニングを展開し、日系企業の経営・リスクマネジメントを管理面からサポート。2025年3月末時点で496会員の利用実績。
ホームページ
https://www2.rismon.com.cn/jp/?utm_source=rm&utm_medium=press&utm_campaign=250819
■リスクモンスターの概要(東京証券取引所スタンダード市場上場 証券コード:3768)
2000年9月設立。同年12月よりインターネットを活用した与信管理業務のアウトソーシングサービス、ASPクラウドサービス事業を開始しました。以来、法人会員向けビジネスを要として、教育関連事業(定額制の社員研修サービス「サイバックスUniv.」)やビジネスポータルサイト事業(グループウェアサービス等)、BPOサービス事業、海外事業(利墨(上海)商務信息咨詢有限公司)にサービス分野を拡大し、包括的な戦略で事業を展開しています。
リスモングループ会員数は、2025年6月末時点で14,501(内、与信管理サービス等7,918、ビジネスポータルサイト等3,049、教育事業等3,018、その他516)となっております。
【会社概要】
会社名 : リスクモンスター株式会社(英名:Riskmonster.com)
本社所在地 : 東京都中央区日本橋2丁目16番5号 RMGビル
代表取締役社長: 藤本 太一
設立 : 2000年9月
資本金 : 1,188,168,391円(2025年3月末現在)
HP : https://www2.rismon.com.cn/jp/?utm_source=rm&utm_medium=press&utm_campaign=250819