ベインが提言するAI・地政学時代のM&A戦略

ベイン・アンド・カンパニーは、AI技術の進化や地政学リスクが高まる中で、日本企業が競争力を高めるためのM&A活用アプローチに関するプレスセミナーを8月18日に実施した。

M&A市場の現状と変革

2025年の世界M&A市場は、前年比40%増と幅広い回復を見せ、2026年も高水準を維持しています。特に、既存事業の単純拡大ではなく、ポートフォリオのシフトを目的とした「スコープディール(変革型ディール)」が過去最高の60%を占めるなど、企業の自己変革に向けた動きが加速しています。日本市場においても取引総額は2,300億ドルに達し、M&Aは価値創造の中核ツールとして定着しています。

AIがもたらすM&Aの高度化

AIは投資の判断基準や実務プロセスに大きな変革をもたらしています。5億ドルを超える大型テクノロジー案件の45%がAI関連となる一方、デューデリジェンス(DD)においてもAIの影響評価が必須となっており、27%の企業がリスクを懸念して案件から撤退したというデータも示されました。また、M&AプロセスにおけるAI活用率は2025年に45%まで急増しており、データ分析などの作業効率化により、人間はより高度な意思決定にリソースを集中できる環境へと移行しています。

不確実性下で求められるM&Aの基本動作

地政学リスクが常態化する中で、企業には変化を好機として捉える戦略が不可欠です。過去の調査によれば、不確実な環境下でも継続的にM&Aを積み重ねた企業は、そうでない企業に比べて中長期的に高い投資リターンを上げています。ベインは、日本企業がとるべき実践アプローチとして以下の3点を提言しました。

ポートフォリオの精査:資産の入れ替えを不断に行うこと
スクリーニングとDDの強化:対象企業の回復力を見極める目利き力を備えること
売却・スピンオフの視野化:買収のみならず売却も視野に入れ、財務余力を確保すること

関連リンク

https://www.bain.co.jp