11日午前4時23分ごろ、鹿児島県の種子島宇宙センターから大型主力ロケット「H3」9号機が打ち上げられた。機体は予定通りの時刻に発射され、第1段と第2段エンジンを順次着火させながら上昇を続けた。目標とする高度約403キロメートル付近に到達した後、搭載していた内閣府の測位衛星「みちびき7号機」を正常に分離し、打ち上げは成功した。
今回の打ち上げ成功は、今年6月に実施された機体に続き2回連続となる。昨年12月に発生した打ち上げ失敗により、日本は自力で衛星を宇宙へ輸送する手段を一時的に失う深刻な事態となっていた。前回の打ち上げは補助ロケットブースターを使用しない試験機という位置づけであったが、今回はブースター2本と主エンジン2基を搭載した「22形態」と呼ばれる標準タイプでの打ち上げであった。実用機と同仕様での成功により、政府の衛星などを優先的に打ち上げる「基幹ロケット」として本格的な復帰を果たした形である。
今回搭載された「みちびき7号機」は、全地球測位システム(GPS)の日本版として機能する重要な衛星である。政府は他国の測位衛星に依存することなく、日本単独で正確な位置情報を提供できる7機体制の構築を目指しており、今回の打ち上げはその目標に向けた大きな前進となる。現在稼働している5基に加えて、新たに軌道へ投入された本機は、約7カ月後から測位サービスを開始する予定となっている。
軌道へ投入された衛星は今後、自身の推進系を利用して準静止軌道へと移行する計画である。その後、衛星本体や搭載されている各種機器が正常に動作するかを確認する軌道上での検証作業を実施する。高精度の測位システムに関する技術実証も予定されており、数カ月間にわたる確認作業を経た上で運用事業者へと引き渡される見通しである。
