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白川郷合掌造り集落と右下は熊ソニックを設置する辻特担教授(左)ら
クマの目撃が急増し、外国人観光客が負傷する被害が発生した世界遺産・白川郷合掌造り集落のある岐阜県白川村で4月21~22日、岡山理科大学研究・社会連携機構の辻維周特担教授らが高周波を使ってクマを遠ざける「熊ソニック」を10基設置しました。同村の担当者は「これで住民や観光客の安全が確保できれば」と被害抑止効果に期待しています。
豪雪地帯の伝統的な建築様式の民家が建ち並ぶ白川郷合掌造り集落は1995年、「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として世界文化遺産に登録されています。訪日観光客の急増に伴い、2025年の同集落への観光客は村によると、前年比12.8%増の211万人に上っており53%が外国人観光客。一方、村内でのクマの目撃件数は2024年度の35件から2025年度は137件と約4倍に急増しています。
昨年10月5日には合掌造り集落のシャトルバス乗り場付近で、スペイン人の40代の男性観光客が背後からクマに腕をひっかかれて軽傷を負う被害が発生しました。クマは体長1㍍ほどで子グマとみられています。
こうした被害を受けて村は即座に「くま危険 BEWARE OF BEARS(クマに気を付けて)」と書いた看板を村内20カ所に設置するなどして対応しました。
今年度、クマ対策として村が打ち出しているのが①高周波でクマを近寄らせない熊ソニックの設置②クマが好むカキやクリなどの伐採③山裾の森を伐採して30㍍下げる緩衝帯整備――の3本柱です。
熊ソニックは、隣接する富山県南砺市が昨年6月にクマ対策で導入し、効果を上げていることから設置を決めました。山梨県の自動車部品メーカー「T.M.WORKS」(轟秀明社長)が開発し、辻特担教授が効果検証に取り組んでいる獣害対策装置で、クマが嫌がる高周波を上下左右各50度、到達距離約100~300㍍の範囲に発して近寄らせません。
雪解けを待って行われた設置作業では、辻特担教授や轟社長らが村役場の髙島一成・産業課長と打ち合わせながら、クマの目撃件数が特に多い5カ所を選定して、単管パイプを打ち込んで電源用の太陽光パネル、高周波発生装置、スピーカーを取り付けていきました。
髙島課長は「クマが出ると住民生活が制限されてしまいます。観光客の中には、進入規制テープを張った危険区域に平気で入ってしまう人や食品くずを投げ捨てる人もいて、頭を痛めています。とにかく、クマが近づいて来ないようにするのが一番。そのために熊ソニックには期待しています」と語り、辻特担教授は「これで少しでもクマの脅威から村民や観光客が守れたらうれしい」と話しています。

熊ソニックを組み上げる辻特担教授(左)とT.M.WORKSの渡邊孝夫さん(右)

高周波の出具合を確認する轟社長(右)と辻特担教授(左)

合掌造り集落の展望台で髙島課長(左端)から集落内でのクマの出現状況を聞く(その右から)辻特担教授、轟社長、渡邊さん

外国人観光客のクマ被害を受けて村内20カ所に設置された看板=白川村役場提供

白川村役場の全景

今回、熊ソニックを設置した箇所(赤い丸)と合掌造り集落(黄色い部分)の位置図
岡山理科大学 : https://www.ous.ac.jp/
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