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宝酒造株式会社研究開発センターでは、「本みりん」の調理機能に寄与する成分の網羅的研究に取り組んでいます。今回、京都大学大学院との共同研究※1により、調理品にコクを付与する成分として「フルクトシルグルタミン酸」が関与していることを新たに明らかにしました。
この成分は、糖とアミノ酸の反応生成物であるアマドリ化合物※2の1種であり、麹によって豊富な糖とアミノ酸が生成され、さらに熟成の工程を経ることで生み出される、本みりんならではの製法に由来する成分です。
本研究成果は、「日本食品科学工学会 第72回大会」にて発表します。
※1:共同研究は農学研究科農学専攻品質評価学分野・及川彰教授と実施し、理化学研究所にも協力を得た。
※2:メイラード反応という化学反応の初期過程で生成される成分で、さらに反応が進むと食品の焼き色や香ばしい風味を生み出す。
【研究の目的】
もち米・米麹、醸造アルコール等から造られる「本みりん」は日本の伝統的な酒類調味料であり、甘みの付与、コク・うまみの付与、てり・つや向上、味の浸透の促進など、様々な調理機能を有しています。中でも「コクの付与」は、味の厚みや広がり・持続性をもたらす重要な要素であり、和食に欠かせない役割を果たしています。一方で、本みりんが持つコク付与効果については、様々な成分が関与していると考えられているものの、その詳細は十分に解明されていません。そこで当社は、本みりんのコク付与効果に寄与する成分の解明を目的とし、本研究に取り組みました。
【日本食品科学工学会 第72回大会 概要】
会 期:2025年8月27日(水)~29日(金) ポスター掲示・講演
会 場:日本大学湘南キャンパス(神奈川県藤沢市)
演 題:網羅的成分分析によるみりんの調理機能に寄与する成分の解明
発表者:〇原 健1、竹光 浩範1、及川 彰2・3、佐々木 亮介3、郷司 浩平1、栗山 謙一1
(1. 宝酒造株式会社、2. 京大・院・農、3. 理研CSRS)(〇印は演者)
日本食品科学工学会 第72回大会Webサイト▼
https://pub.confit.atlas.jp/ja/event/jsfst72