IEEEが提言を発表 AIがサイバー関連の職を変革する中、基本は変わっていない

IEEE(アイ・トリプルイー)は世界各国の技術専門家が会員として参加しており、さまざまな提言やイベントなどを通じ科学技術の進化へ貢献しています。

ほんの数年前、生成AIが登場した際、サイバーセキュリティの専門家たちは、詐欺師が人々を騙して金銭を振り込ませることが容易になる、あるいはディープフェイク動画によってニュースをいつ信頼すべきか判断しづらくなると警告していました。

2026年、新たに登場した生成AIは、予想をはるかに超える能力を発揮し、最新のモデルは世界経済の基盤となるソフトウェアの悪用手法や脆弱性を特定することができます。

こうした能力は世界最大手企業内で警戒感を引き起こしていますが、IEEEシニアメンバーのケビン・カラン氏は、企業の日常的な脆弱性は、見出しが示唆するほど劇的に変化していないと強調しています。

「議論の枠組みが『AIが攻撃者により巧妙なフィッシングメールを作成させる』というものではなく、AIが実際に操作を実行しているという形に変わった」とカラン氏は述べました。「とはいえ、今年セキュリティ侵害を受けた組織のほとんどは、これまでと変わらず、フィッシング、認証情報の再利用、パッチ未適用のソフトウェアによって攻撃を受けることになるだろう。」

AIが状況をどれほど変えたかという議論は、もはや机上の空論ではありません。私たちは5人のIEEEセキュリティ専門家に、何が現実で、何が誇大宣伝であり、何に注目すべきかを尋ねました。彼らの回答を若干編集して以下に紹介いたします。

●今年、誰もが話題にしているトレンドは何ですか?
「『AIエージェント』は今、注目の的だ。しかし、他に注目すべきものがあるかどうかは別の問題だ。単一技術への依存、共有バックエンド、そして設計上信頼できないコードを処理するセキュリティツールに注目してほしい――これらは、たとえLLMを1つも導入していなくても、それ自体が攻撃対象となるのだ。」――IEEEシニアメンバー、ケイン・マクグラドリー

●AIは攻撃者と防御者の力の均衡をどちらに傾けたのか?
「現時点では、AIによってバランスは攻撃者側に傾いています。攻撃側には機能する経路が1つあれば十分ですが、防御側は24時間365日、あらゆる面で堅固でなければなりません。エージェント型検知が成熟すればバランスは是正されるかもしれませんが、短期的には攻撃側に優位性があります。」――IEEEシニアメンバー、ケビン・カラン

●サイバーセキュリティの求人市場はどのような状況にあり、AIは初級職と上級職の役割をどのように変えつつあるのでしょうか?
「市場は広範な好況というよりは、選別的でスキル主導型の様相を呈しています。AIはサイバーセキュリティの仕事を置き換えているというよりは、価値ある仕事の種類を変えつつあります。定型的な監視業務は減少し、一方で判断力、検証能力、そしてAIが誤っていることを見抜く能力がより重要になっています。差別化要因はもはや『ツールを使えるか』だけではなく、『ツールが誤った情報を示しているかどうかを見抜けるか』へと変わっています。」――IEEE会員、レベッカ・ヘロルド

■IEEEについて
IEEEは、世界最大の技術専門家の組織であり、人類に恩恵をもたらす技術の進展に貢献しています。160カ国、40万人以上のエンジニアや技術専門会の会員を擁する公的な慈善団体で、論文誌の発行、国際会議の開催、技術標準化などを行うとともに、諸活動を通じて世界中の工学やその他専門技術職のための信用性の高い「声」として役立っています。
IEEEは、電機・電子工学およびコンピューターサイエンス分野における世界の文献の30%を出版、2,000以上の現行標準を策定し、年間1,800を超える国際会議を開催しています。

詳しくは http://www.ieee.org をご覧ください。

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