東大阪市は7月23日、同市出身のシンガーソングライター・故河島英五さんを題材とした映画化プロジェクトを支援するため、関係事業者と「東大阪市市制施行60周年記念映画の製作協力に関する事業連携協定」を締結した。
市役所本庁舎で行われた締結式には、野田義和東大阪市長をはじめ、メガホンを取る白羽弥仁監督、河島英五さんの長女で株式会社ツキハナ代表取締役の河島あみる さん、本プロジェクトを主導する株式会社キョウタス代表取締役社長の普照大督さん、そして原作『生きてりゃいいさ 河島英五伝』の著者である花房観音さんが登壇した。来年、市制施行60周年を迎える東大阪市。本プロジェクトは、その記念事業の一環として位置づけられている。
野田義和市長は「河島英五さんが生きた、また心の中に保ち続けていただいた我が街・東大阪を多くの人に知っていただける素晴らしい機会。映画の制作過程において、可能な限り市民の皆様が参画できることを期待している」と語り、市としてクラウドファンディングの周知やロケ地提供など、全面的なバックアップを約束した。映画は、花房観音氏の評伝『生きてりゃいいさ 河島英五伝』(西日本出版社)を原作として制作される。「酒と泪と男と女」「時代おくれ」など数々の名曲を生み出した英五さんの生き様と、その背景にある東大阪の景色や人々の温かさが描かれる予定だ。
監督を務める白羽弥仁氏は、英五さんの楽曲が今もなお世界中で歌い継がれている「普遍性」に触れ、「東大阪を愛した河島英五の人生を描くことで、映画をご覧になる方それぞれの人生を振り返ってもらえるような作品にしたい。私の映画監督生命を賭けて完成させる」と強い決意をにじませた。英五さんの長女・河島あみる氏は、父が亡くなった病院の窓から、かつて両親が住んでいた東大阪のマンションが見えたというエピソードを披露。「『あー、最後はなんか、俺のスタートした場所に戻ってくるんやなぁ』と父が言った時は寂しかったが、これが終わりではなく、26年経って父や母、バンドメンバーたちの物語がこの東大阪で映画となって生まれることを父に伝えたい」と感慨深げに語った。また、原作のゲラを読んだ段階で「父が繊細で、優しくて、悩んでいた少年だったんだと思うと泣けてきた」と明かし、映画の完成を心待ちにしている様子だった。
原作者の花房観音氏は、執筆を通じて英五さんのルーツである東大阪の重要性に気づいたという。「彼の歌の根本にある東大阪という街、景色、人を映像として蘇らせ、多くの人がこの街を訪れてくれることを願っている」と期待を込めた。映画の制作にあたり、プロジェクトでは資金調達も開始する。目標額は計6,000万円で、本日から「企業版ふるさと納税」の受付が始まり、8月初旬からは個人向けの「ガバメントクラウドファンディング」もスタートする予定だ。
今後は令和9年度(2027年度)に市内での撮影等が行われ、令和10年(2028年)1月の試写会、そして同年の全国公開を目指す。



