
農業ソリューション「e-kakashi」を展開するグリーン株式会社が、JICAのブラジル国セラード地域における環境保全と持続的農地転換を目的とした情報収集・確認調査に採択されました。
ブラジル・セラード地域における環境再生への挑戦
かつて「セラードの奇跡」と呼ばれたブラジル中央部の農地開発は、現在、牧野の劣化による温室効果ガス排出や森林伐採という課題に直面しています。これに対しブラジル政府は、農牧統合(ILP)を通じた持続可能な農業への転換を国家プログラムとして推進しています。今回採択された実証事業では、グリーン株式会社が提供する農業IoTソリューション「e-kakashi」を核としたデジタル支援基盤を構築し、この課題解決に挑みます。
実証事業の目的とデジタル支援基盤の役割
本事業は、デジタル技術を活用して環境保全と農業生産性を両立させる「シン・セラードの奇跡」の実現を目指すものです。農業IoT、衛星画像、気象メッシュデータ、生育シミュレーションを統合することで、以下の機能を提供します。
生産者向け支援:圃場ごとの最適な播種判断や生育モニタリングを可能にする意思決定支援機能
金融機関向け支援:生産性とリスクを可視化し、低炭素農業向け融資の審査を支えるMRVプラットフォーム
※ILP(Integracao Lavoura-Pecuaria):作物の栽培(Lavoura)と家畜の放牧(Pecuaria)を同一の土地で組み合わせる持続可能な農業システム。※『Pecuaria』の正式表記は一つ目の“a”の上に「’」(アキュートアクセント)
※MRV(Measurement, Reporting and Verification):温室効果ガスの排出量や削減量などを測定、報告、検証する仕組み。環境配慮型の取り組みを客観的に証明し、資金アクセスを可能にする重要な基盤となる
今後の展望とパートナーシップ
グリーン株式会社はこれまで、総務省事業での実証や、JICA・IDB Lab共催の「TSUBASA2025」、経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業」への採択を通じて事業基盤を築いてきました。今後は国際研究機関や現地機関、アグリテック企業であるCrops Team社などと連携し、技術的失敗リスクの低減と資金アクセスの改善を図ります。これにより、森林伐採を伴わない持続可能な農地拡大のエコシステム構築を目指します。
プロジェクト概要
本事業は、スタートアップを含む日本企業が持つ技術を現地の圃場で試験し、効果を可視化することで、日本企業の海外展開とブラジルにおける持続可能な農業の実現を支援するJICAのプロジェクトです。
まとめ
グリーン株式会社は「e-kakashi」を活用したデジタル農業技術の導入により、セラード地域の劣化牧野を再生させ、持続可能な農業エコシステムの確立に貢献します。
